天竺の壁にもたれて眠る

演劇鑑賞第二回目。
某よく行くバーの常連さんはひとり劇団をしているのです。
前回の模範都市では脚本・演出の方のひとり劇団に参加という形で出演をされていたのですが 今回は自分の劇団でやる・・・ということで、やはり観に行ってきました。

場所は下北沢のOFF・OFFシアター。
下北沢駅南口目の前のガストの上。
本日千秋楽でございます。

前回の池袋の芸術劇場とはうってかわって、小さな劇場です。
5〜60人ぐらいが入れるかな?というかんじ。
なぜかステージに公衆トイレが。
一緒に来た人がトイレに行きたい・・と言い出したので、おもわず「そこにトイレあるじゃん」と言ってしまいましたw

そして暗転。
音楽が鳴り始めていよいよ・・・と思ったら・・・

マミーDかよ!!!!w

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そして、あらすじを起こそうと思ったら普通に文章に落とすとふつー過ぎて 舞台の面白さを伝えるまでに至ることができなかったので、エッセンスだけ。

とあるいろいろな事情でマキは3週間限定で取り壊し予定の公園にある公衆トイレで生活をすることに。
恋人に振られていろいろなことがあって、インドにボランティアにいこうとしたものの、MARSで渡航延期になってしまい、しかし家や仕事も辞めてしまっていたので本人的には強がって入るもののしかたなしな感じ。
公園のトイレは市役所職員の友人が使用許可をとってくれて、合法的にマキが使える。
しかし、その公園のトイレではこっそりとAVを撮ろうとしていた監督、助監督、女優の3人組、そしてトイレを寝床としているホームレスが・・・。

西遊記って知ってる?」
「あー、あの、猿とカッパと豚と夏目雅子が一緒に星が7つ入ったボールを集めに行くっていうやつ?」
「そうじゃなくって、三蔵法師が経典を取りに行く話。汗」
「あー、宮沢りえ三蔵法師で、唐沢寿明孫悟空のやつね」
「いや、宮沢りえの時のは本木雅弘唐沢寿明の時のは牧瀬里穂ね」
「」

ホームレスの一言。
お前、重い女やな〜〜、アレやろ、その恋人に”私の過去も全部まるごと受け入れてー”って全部背負わせよううとしたんやろ。
いるいる、そういう女。

あのな、人間にはな、色々なタイプがあるんや。
星座は12種類、血液型は4種類。
いろいろあるけれど最終的には人間は2種類しかおらんのや。
男と女。
いるいる、こういう女、いるいる、こういう男。
そんなもんやねん。

公園のトイレで暮らしだしたマキはショックな事が起きるとトイレの入り口の壁に持たれて眠ってしまう。
そしてその夢のなかではAV監督が孫悟空、AV女優が猪八戒、助監督が沙悟浄、元恋人が三蔵法師として出てくる。
カッパと豚はデキているけど悟空には知られたくない。
でもラブラブチュッチュでカッパは「チャーシューが好きー!!雌豚が好きー!!!でもきゅうりが一番好きー!!!」と叫ぶ。
しかし、あるとき猪八戒沙悟浄ができていることを孫悟空が知り、沙悟浄と取っ組み合いの喧嘩になる。
孫悟空のもみあげは実は「たわし」を伸ばしてもみあげ部分に貼り付けているのですが、沙悟浄がそれを取ってしまい・・・ここからはアドリブなのか演出なのかは不明だけれど、とりあえず場内爆笑の渦。
「お前、もみあげ取んなよ!!っつーか、こすりつけんなよ!それマジでいてーって!!!」
「で、なんで右側ばっかり向いてるんですか?」(悟空が「たわし」が取れた方を観客に見せないように向いて立っているので)
猪八戒はマジ笑いをしてヒーヒー言っていてw
もうやぶれかぶれ状態で取れたもみあげを押さえている手が電話をかけているようだ、ともう反対側のもみあげたわしももぎ取られて孫悟空沙悟浄が「たわし」を持って「もしもーし!!」とか言い出してw

最後に、マキが小さいころに出て行った母親に、それまではいろいろと理由をつけて連絡を取ろうとしていなかったのが、やっと連絡をとってみようかな、と言い出したこと。

人はなにかしら、理由をつけてやりたがらないことがある。
それは、ダメだったら、失敗したら、拒絶されたら、を恐れてそういう目に合わないために自分が傷つかないための防御線としていろいろな「やらない理由」を作りだし、やらないでいる自分自身を正当化させているのだと思います。
ただし、それはただ単に問題を先送りにしている、あるいは逃げている、というマイナスを埋めるためだけの行動であって、何も生み出さないのではないのかと思うのです。

個人的には四の五の言わずにとっととやれや、やってアカンかったらその時に考えたらええやんか、なにをナイーブぶっとんねん、傷つくのがコワイ?何アホなこと言うとんねん、自分可愛さによる自分を甘やかす行為ほど、自分を可哀想な人にする行為はない、と思っております。

この演劇のテーマとしてそういう部分があるのかはわかりませんが、少なくともそういうメッセージはあったのではないのかな、と。